学習をはじめるに当たって
歴史と伝統を持つゴルフは私たちに今も多くのことを教えてくれます。ゴルフを通して倫理道徳や職業意識、能力開発や管理技術について自発的に学べる学習機関としてワールドカレッジが誕生しました。ワールドカレッジはインターネットを使って学習するシステムですから、自分の都合やレベルに合わせて基礎教養や専門知識をより広くより深く学ぶことができます。しかし便利なインターネット学習は世界が広すぎて、ナビゲーターが無いと迷子になる恐れがあります。そこでワールドカレッジは二冊のガイドブックを用意しました。
『ゴルフ基礎原論』はゴルフゲームに関して45テーマに分けて、ゴルフの原点から現代ゴルフ確立までが体系的に分かるよう解説してあります。技量経験にかかわらずゴルフの世界に興味が湧いてくるガイドブックになっています。
『ゴルフ経営原論』はゴルフビジネスに関して51テーマに分けて、基本概念からゴルフ業界固有の姿まで実践的に分かるよう解説してあります。ゴルフビジネスの経験が無くてもビジネスそのものに興味が湧いてくるはずです。
スポーツとビジネスには多くの共通点があって、特にマネジメントという領域ではスポーツの方に進化がみられ参考になります。
参照 : 学習領域・分野 概念図 / ゴルフ基礎原論 / ゴルフ経営原論
インターネット学習のもうひとつの問題は、誰も自分を強制してくれないことです。人は良いことでも強制されないとなかなか実行できません。そこで自分を強制するために「目標と計画」を設定しなければなりません。従来の教育システムは年間カリキュラムに従ってエスカレーター式に目標に連れて行ってくれました。その代わり休んだり遅れたりしても待ってはくれません。それに対してインターネット学習は自分から行動しなけれ授業は始まりませんが、いつでも何処でも自分のペースと都合で学習することができます。目標も計画も全てマイペースに進めることができる点が長所であり短所でもあります。
ワールドカレッジは学生ならクラブ活動感覚で、社会人ならライフワーク感覚で専門技術や国際教養を学び、そのうえ国際資格を取得することができます。ゴルフに関するこのようなシステムは世界に例をみませんが、米国に30年以上遅れているアジア日本の人達も、インターネットを使えば10倍の速さで追いつくことができると確信します。グローバル化が進む中で、ゴルフもビジネスも国際化が急速に進んでいます。21世紀の社会を積極的に生きようとするならば時代感覚を備えた学習を通して自分自身を大いに進化させる必要があります。
インターネット学習の方法について
まず「学習の高速道路」といわれるインターネットを「便利な道具」として使う必要があります。最初は誰かに教えてもらっても、やがては自分の道具として使うことが大切です。テキストを読み進めると分からない言葉や内容にぶつかることがありますが、そのままにしないでインターネットで検索する習慣をつけてください。インターネットにはいろいろな考えや説が載っていますが、あまり深追いはせず概要を掴んだらすぐ基本テキストに戻ることが大切です。
インターネットの世界は情報が氾濫していて何がホンモノだか分からない世界でもあります。だから目的地に到達するまでは余り寄り道をせず、原理原則や基本概念をしっかり学ぶことが大切になります。
原理原則や基本概念をしっかり学ばないと、いろいろなことを知っているが本当のことは何も分からない『雑学士』に終る危険があります。流行や風評に流されて、いつまで経っても自信も確信も持てない人は責任ある仕事にも立場にも付けません。まずはテキストに沿って基本体系をしっかり学んでください。基本体系を学べば、根幹がすわって枝葉が増えても堂々とした姿に成長します。
インターネット学習ではノートを付けること、まとめることが少ないので読みっぱなしに終ることが多いようです。従来の学習のように知識を暗記するのではなく観察力や判断力を養って欲しいのです。それには時々立ち止まってテーマについて考えることが大切で、身のまわりの現実に照らし合わせて別の視点から観察することも重要です。マイペースで学習できることがインターネット学習の最大の利点ではないでしょうか。
理解したかどうかは文章にまとめてみると分かります。つまり学習した内容を人に説明できるかどうか試してみることです。自分の考えを文章に書くことは慣れた人でも結構大変なことですが、パソコンを使うと書けるようになるものです。パソコンは訂正や校正が楽なので何度でも書き直せるし、きれいな文字で体裁も整うので文章を作ることが楽しくなります。
パソコンは便利な反面、機能が揃い過ぎていて逆効果も多いことが指摘されています。自分で文章を作らずテキストやインターネット上から他人の文章をコピーして貼り付ける「コピー&ペースト」ができることです。コピー&ペーストだけの人には実力がつかず、やがて大事な場面で馬脚を現して大恥をかくことになります。自分で考え自分の文章を書くことが如何に実力を養うか、体験を通して学んでください。
レポートの書き方について
レポートを書くに当たっては、まずテーマを定めなければなりません。テーマを見つけることは意外に難しいことなので『ゴルフ基礎原論』『ゴルフ経営原論』はセクション毎にテーマを設定して書かれています。選んだセクションを何度か読み直して疑問点や関連事項をネットで調べ、そのテーマについて自分なりに考えると、段々と自分の言葉で理解を深めることができます。
自分の考えがまとまってきたら内容をいくつかの項目に分けて構成してみます。一般的には『起承転結』という四段階構成法がありますが、レポートに応用するときは第一段階でテーマについて概要を説明します。第二段階で問題点や重要ポイントを指摘します。第三段階で実体験や実例を参照して検証します。第四段階で自分の考えも含めて結論を述べます。
パソコンで文章を作っていく行為は作文というよりむしろ編集に似ています。ダイナミックにブロックごと移動できるのはパソコンならではの利点で、ある部分を作っては読み直し、構成を検討し部分ごと移動し、また読み直す繰り返しの中でまとめ上げていくのもひとつの重要な技術です。
一枚のレポートが「起」から「結」へ無理なく読めたなら、それは良い構成をもった良いレポートとなるでしょう。
レポートはテキストのテーマ以外でも構いません。例えば公式競技に参加した場合や学会講演に出席した場合に、体験学習したことをレポートしても構いません。自分自身のゴルフに関することや職場に関することを研究テーマにしてレポートすることもできます。大切なことは学習が空理空論に終らず実践理論や実学として身に付くことです。
学位論文について
ワールドカレッジはゴルフ専門大学ですから、ゴルフ文化やゴルフビジネスに関して専門的・体系的に学習し修得することを目的にしています。その学習したこと修得したことを文章にまとめたものが学位論文です。学位論文は学歴の裏付けであり、その人の人生や仕事を支える基盤ともなるものです。この基盤は自信を持って人生を歩み仕事をするために必要な理念や哲学を指します。あなたの生涯を支える知的財産づくりと思って取り組んでください。
学位論文は学者の論文のように難しいことを書く必要はありません。論文の中には他人の文章や言葉の引用が多く、自分の考えや言葉が一向に見えてこないもの、インターネットを使ってアチコチの文章や論文を拾い集めたものなど、努力した割に自分の役に立っていないものや成果にならないものを見ることがあります。他人のではなく自分の考えと自分の言葉で書くことが何よりも大切です。論文を読めばその人が分かる、その人の専門が理解できるものこそ、本人にとっても貴重な学位論文と言えるでしょう。