- ゴルフ経営原論
- 目 次
- INTRODUCTION
- 第一部 ゴルフビジネス
- 要 綱
- 第一章
マーケティング - 第二章
プロモーション - 第三章
インストラクション - 第四章-1
経営マネジメント - 第四章-2
施設マネジメント - 第五章
ビジネスポリシー - 第二部 ビジネスマネジメント
THE BUSINESS FUNDAMENTALS
- ゴルフ経営原論 第一部 ゴルフビジネス -
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高度に発達した現代社会においては、社会生活に必要な基本知識や基本技術を身につけるのに、回り道する時間的・経済的余裕がない。現代ゴルフという進化したスポーツ文化を学習するについても、我流で習得していては技術上達が遅いうえに教養としても役に立たない。科学的・合理的指導に基づけば我流で3年かかるものは1年で習得し、10年で達成する目標も3年で到達できる。
米国における指導法の確立は目覚しいものがあり、1970年代にNGFが学校体育ゴルフ普及のために開発した教育プログラムが役立っている。学校教育に導入するには普遍的な理論体系に基づく科学的指導法が確立していなければならず、NGFのインストラクション・メソッドが抜群に優れている理由は、全米から選抜された優秀な人材によって編成された教育開発プロジェクトが、多角的に研究して基本を体系化したからで、現在も全米統一教材として使用されていることからも理解できるであろう。(ゴルフ基礎原論 参照)
何事によらず入門段階のガイダンスやインストラクションは大切といわれ、学問、音楽、美術、スポーツ全て入門段階に正しい指導を受けたかどうかで、その後の成長に大きな影響を与える。ゴルフの場合なら習い始めに基本指導を受けたかどうかでスイングそのもの、或いはゴルフに対する取り組みそのものが根本から変る。
最近はスポーツ・音楽分野で10代のトッププレーヤーが誕生するが、明らかにインストラクションの進歩によるものである。指導教育の進化は関連領域の進化に負うところが大きく、例えば生体力学、学習心理学、情報処理技術などの研究開発はインストラクションを科学的・合理的に発展させてきた。高度先端技術が身体運動のメカニズムを解明し、無駄や無理を排除して人間能力やパフォーマンスを最大限に引き出す方法やメソッドを開発している。また知識や技術の伝達手段も高度に発達し時間・空間・費用の障害を克服して、スピード時代にふさわしい成果を挙げている。
急速に若いプレーヤーが育ってきたことからもその傾向を窺い知ることができるが、反面、人そのものの進化が見られない中で、人を取り囲む周辺環境だけが進化してしまって、肝心の人がうろたえている姿も見逃せない。特にゴルフは人間教育プログラムといわれるほどメンタル性の強いゲームでありながら、科学を利用した商業手段として利用される傾向が強く、エデュケーションを置き去りにしたビジネスインストラクションに発展している。
インストラクションはあくまでもエデュケーションの一環であり、その具体的方法の一部に過ぎない。インストラクションの中心には絶えず人が存在しており、人の成長や喜びがアナログの世界で確認できるものでなくてはならず、決してバーチャルやデジタルの世界だけで完結するものであってはならない。
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