- ゴルフ基礎原論
- 目 次
- 第一部 ゴルフゲーム
- 第二部 ゴルフマネジメント科学
- 要 綱
- INTRODUCTION
- 第一章
セルフマネジメント - 第二章
コースマネジメント - 第三章
スコアマネジメント - 第四章
ゲームマネジメント - 第五章
マネジメントサイエンス - おわりに
THE GOLF FUNDAMENTALS
- ゴルフ基礎原論 第二部 ゴルフマネジメント科学 -
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ストロークプレーに対する研究が進んだ結果、ゴルフのマネジメント技術が急速に進歩した。コースの難易度を査定するコースレーティングが進化してボギープレーヤーに対する査定基準であるスロープレーティングが開発され、コースの難易度査定は精密かつ合理的になった。スコアはコースレートとスロープレートによって調整されるようになり、プレーヤーの実力はハンディキャップ・インデックスによってリアルタイムに評価されるようになった。プレーヤーのHandicap Indexと使用ティーのCourse Handicapを比較調整してその日の競技ハンディを決めるようになったが、試合や闘いをするのに事前に対戦条件を定めるのは本来の姿であろう。ハンディキャッピングは対戦するコースとプレーヤーの対戦条件を定めることで、それはコースマネジメントするうえで必須要件となり、ゲーム戦略や作戦を立てるうえでも極めて重要な要因となる。
コースとのハンディキャッピング、つまりホール毎のハンディキャップが定まれば挑戦者であるプレーヤーはホールバイホールの攻略法を検討することができる。挑戦されるコース側はコースマネジメントの基本条件となるコースレート、スロープ、距離、設定難度、難度順位、グリーンスピード、ピンポジションなど事前情報を公開してフェアに迎え撃つ。両者の条件が揃って初めて挑戦者はホールハンディキャップを使ってナビゲーティングやシミュレーションをすることができるが、この一連のプロセスをコースマネジメントという。ゴルフは冒険旅行や探検と同じで、事前調査やシミュレーションが重要であると同時にマネジメントすることが本来の楽しみであるともいわれている。マスターズ出場者たちは練習ラウンドの期間、毎晩クラブハウスやレストランで仲間たちとお互いの作戦を語り、検討し合いながら練習試合を楽しんでマネジメント能力を高め、そして成長していくという。
コースマネジメントとは挑戦するコースの情報を事前に入手し、設計者の意図や癖を見抜き、難易設定の内容や数値から対戦相手の防衛体制や罠の配置を研究して、挑戦者のパフォーマンスが最大限に発揮されるよう作戦をたて実戦することで、孫子の兵法にいう「敵を知り己を知れば百戦これ危うからずや」の訓戒を実践することである。ストロークプレーはコースが対戦相手であるから相手は専守防衛に徹して絶対に攻撃してくることも逃げることもない。冷静沈着にして不動の守備体制を敷く相手を何処まで知って攻撃できるかが勝負の鍵となる。
米国型科学技術ゴルフの進化は、ゴルフをマネジメントゲーム化し事前の情報収集力と実践的マネジメント能力を競う新たなゲームに変えた。
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