- ゴルフ基礎原論
- 目 次
- 第一部 ゴルフゲーム
- 第二部 ゴルフマネジメント科学
- 要 綱
- INTRODUCTION
- 第一章
セルフマネジメント - 第二章
コースマネジメント - 第三章
スコアマネジメント - 第四章
ゲームマネジメント - 第五章
マネジメントサイエンス - おわりに
THE GOLF FUNDAMENTALS
- ゴルフ基礎原論 第二部 ゴルフマネジメント科学 -
第四章 ゲームマネジメント | << | >> | おわりに |
ゴルフマネジメントの概念は近年になって提唱され始めたもので、理論的にも科学的にも確立したとはいい難く、まだ黎明期といっても差し支えないだろう。再三触れた如くゴルフイノベーションによってゴルフがマネジメントゲーム化し、プレーヤー側もコースに対して科学的に対応しないと互角の勝負ができなくなってきたため、プレーヤー側のマネジメントシステムが必要になってきた。英国型伝統精神ゴルフは依然として科学の力に依存した米国型科学技術ゴルフに対峙しているが、両者はこれからも決して歩み寄ることはないだろう。なぜならばメンタル性とフィジカル性は人間にとってゴルフ以前の本質的な両極面だからである。人間のメンタル性を如何に追及したとしてもフィジカル性を克服することはできないし、フィジカル性がメンタル性を克服すれば人間の本質を失って野生化することになるからである。両者のバランスこそ人類永遠の課題として追求されるテーマなのだろう。
マネジメントは人が持っているパフォーマンスを最大限に引き出す人智や叡智であるとするならば、パフォーマンスそのものを支配しているのは何者かという極めて高度な問題が潜んでいる。マネジメントサイエンスをメンタル性まで掘り下げると、もはや人智や叡智の領域を超えてコントロール不能な領域に陥ることは明白なので、マネジメントサイエンスもフィジカル性の領域内で検証せざるを得ない。更にいえば、サイエンスといってもゴルフ独自の領域から研究開発されたものは少なく、殆んど他の領域から引用されたものである。それでも人のパフォーマンスを引き出す人智や叡智を探求するうえでマネジメントサイエンスが大きな力になることは間違いない。
社会システムが益々高度化していく中で、私たちの身の回りも益々システム化されて、いつの間にか何者かによってマネジメントされていることに気が付く。現代社会はシステムマネジメント抜きでは考えられない環境になっており、その中で暮らす私たちも実はシステムの一部に組み込まれており、自分自身のマネジメントを怠れば社会からドロップアウトする立場にあることも忘れてはならない。今やマネジメントサイエンスは私たちの日常生活を支える基盤になっていることを考えれば、現代ゴルフにマネジメントサイエンスが導入されていること積極的に受け止め、ゴルフの向上に役立てる方が遥かに賢明といえるのではないだろうか。
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