- ゴルフ経営原論
- 目 次
- INTRODUCTION
- 第一部 ゴルフビジネス
- 第二部 ビジネスマネジメント
- 要 綱
- 第一章
チームマネジメント - 第二章
フィナンシャルマネジメント - 第三章
タスクマネジメント - 第四章
デジタルマネジメント - 第五章
マネジメント戦略 - おわりに
THE BUSINESS FUNDAMENTALS
- ゴルフ経営原論 第二部 ビジネスマネジメント -
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ビジネスは基本的に経済活動を意味する。どんなに目的や目標が高邁でも財政基盤の危ういビジネスは、いつか破綻する。だから、ビジネスマネジメントにとって最重要課題はフィナンシャルマネジメントと言っても差し支えない。
人間の活動には必ずコストが伴う。何もしないでじっとしているだけでもエネルギーを消費し腹が減る。誰がコストを負担するか別問題にして、生物も機械もエネルギーを供給し続けなければ、やがて活動を停止する。ビジネス活動も同じで、エネルギーとなる資金の供給が途絶えれば活動はストップし、やがてビジネスも消滅する。誰にでも解る当然の原則でありながら、原理・原則に則ってマネジメントされているケースは意外に少ない。収支バランスが均衡しないビジネスはやがて破綻することを誰もが分かっていながら、日本の多くのゴルフコースは経営破綻の状況のまま、本格的にリストラクチャリングもマネジメントもされていない。この問題に対して解決の糸口を探し出すことが本章の重要なテーマである。
いま日本の多くの企業は長期低迷の原因を不景気のせいにしているが、果たして本当に不景気が原因なのか検証し直してみる必要があるのではないか。人によらず企業や社会によらず、ピークを過ぎれば必ず勢いが衰える。経済によらずマーケットによらず同じことが言えるのではないか。
1980年代の日本経済やゴルフマーケットを正常と考えること自体が異常であって、現在を正常と考えるならば不景気でも何でもない。1930、40年代こそ本当の不景気で、当時としては戦争する以外に景気打開の策はなかったとされている。現在の日本経済の状態を不景気とするならば、世界中に景気の良い国などあろうはずがない。中国にしても日本の10倍以上の人口を抱えながら、日本と同程度の国民総所得しかない貧困国である。一部の特権階級と富裕層が裕福な国なら世界中いたるところにある。
同じ視野に立って日本のゴルフマーケットを見るならば、世界で最も豊かな市場を構成していることに気が付く。人口の7%余に当たる800万人余のゴルフ人口を擁し、一人当たり20万円余の総額1兆6000億円規模の市場を構成している。この市場規模は人口比率からすれば米国を遥かに凌駕し世界一といって差し支えない。このマーケットは不景気どころか世界最高の成熟市場であって、活性化されないのは供給側の無策によるものである。
世界最高の市場を背景に堅実なフィナンシャルマネジメントを実行すれば、日本のコース経営は世界で最も魅力あるビジネスに変貌するに違いない。その鍵となるのはコース固有の財務内容や費用構成を理解することと、徹底的にコストパフォーマンスを追及して経営効率を高めることである。欧米豪州並みのコストパフォーマンスを追及すれば豊かなマーケットが必ず経営を支える。
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