- ゴルフ経営原論
- 目 次
- INTRODUCTION
- 第一部 ゴルフビジネス
- 要 綱
- 第一章
マーケティング - 第二章
プロモーション - 第三章
インストラクション - 第四章-1
経営マネジメント - 第四章-2
施設マネジメント - INTRODUCTION
- -1 ターフグラスマネジメントの
基本知識と実践技術 - -2 カスタマーニーズに対応する
コースデザイン概念 - -3 管理者志向から利用者志向
に移行するメンテナンス - -4 プロスタッフによる
作業標準化と標準予算化 - -5 顧客満足度を求める
コースメンテナンスの研究 - -6 コースメンテナンスの
デジタルマネジメント化 - 第五章
ビジネスポリシー - 第二部 ビジネスマネジメント
THE GOLF FUNDAMENTALS
- ゴルフ経営原論 第一部 ゴルフビジネス -
INTRODUCTION
Sec.4-1 -6 | 損益分岐点管理による 費用効果と価格戦略 |
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ゴルフゲームもゴルフビジネスもコースがあって全てはじまる。コースはスコットランドのリンクスランドのように、自然の地を利用して造られた「ゴッドメイドコース」と人工的に造形された「マンメイドコース」があって、ゴッドメイドコースはグリーン以外はほとんど手をかけていない。
スコットランドのコースは自然のままだから、公園というより草原と表現する方が早い。例えばゴッドメイドコースの代表とされるセントアンドリュウスにしても、日曜日に一般解放されている姿はどう見てもゴルフコースとは言い難く、海岸べりの草原で大勢の人が食事をし遊んでいる光景にしか見えない。ところどころロープを張ったグリーンがあるのを見て「ひょっとするとゴルフ場かな?」と思うほど私たちの一般概念と異なる。1番ホールの横に粗末なスタート小屋があって、ティータイム(スタート時間)を取ったプレーヤーが小屋の周りで寒そうに手をこすり身体を動かして順番を待っている。草原や掘っ立て小屋の管理維持に手間や費用が掛かるわけがない。コースメンテナンスや施設マネジメントを考える前に、ゴルフコースの原点を振り返れば本来の姿が見えてくるだろう。
一方マンメイドコースは自然の地形は利用しても、あたかも自然公園のように美しく造形され戦略的にコース設計されている。管理維持するのに手間も費用も掛かることが一目瞭然に理解できるが、スポーツとしてゴルフゲームを楽しむのに、果たしてここまでする必要があるものか疑問に思う人も多いはずだ。この素朴な疑問こそ施設マネジメントの発想原点とすべきで、カスタマーサイドに立ってサービスの在り方を考えれば、求められていない高額サービスを押し付けていることに気付くはずである。グローバル世界となり、あらゆるものが国際標準価格で手に入る時代に、なぜゴルフに限って何倍もの費用が掛かるのか、またその必要があるのかを検証しなければならない。
マネジメントの基本としてテイラーの科学的管理法について検証したが、マネジメントの究極目的は最少コストによる最大パフォーマンスの追及にある。ならばコストとパフォーマンスのマトリックスからコストパフォーマンスを割り出し、ターゲットとするカスタマーの顧客満足を得るのに必要なメンテナンスの在り方を研究するのが戦略的マネジメントと言えるだろう。カスタマーが求めていないサービスのためにコストを掛け、そのコストを料金に加算して消費者に負担を求めれば、そのサービスマーケットはどうなるかすぐ理解できる。
カスタマーもカスタマーの行動原理も時代と共に変わる。施設マネジメントも経営マネジメントの一環として、供給サイドの論理を脱皮し需要サイドに立って戦略的ポリシーに基づくコースメンテナンスの在り方や、施設マネジメントの考え方について再検討することが必要だろう。
Sec.4-1 -6 | 損益分岐点管理による 費用効果と価格戦略 |
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